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2025年07月07日
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詩を書いていた頃の

2010年01月17日
詩を書けた頃のものです。
小説を書くようになって、詩はさっぱり書けなくなってしまいました。
***********



街に灯のともる 夕暮れは
さびしくて
たえられないと だれかがいった

見上げれば
群青の空
木々の影が 長くのび
かたかた風に つららが揺れる

でも
私はしらない
この夕べにも はるか空を吹き巻く風を
流れる白い雲を

私はしらない
彼方宇宙の 真空の中
青く音もなく
燃え続ける
星を

私はしらない
夕暮れの冷たさに
力尽き
落ちてゆく
色あせた一匹の蛾を



私はしらない




たくさんのひとが
夕暮れにまぎれ かえっていく
夕暮れを通り抜け 家にかえる
そのひとつひとつを
だれもしらないけれど
ひとつひとつ灯がともるのだろう

かえらない人たちは
ゆうぐれにとけたまま
灯のなかをさまようだろうか


私はなにもしらないまま
夕暮れが寂しいと 言った人を思い出す
足早にかえるその人は
今夜もひとつ灯を点し
ほう、と息をついただろうか
そっとカーテンをしめて、熱いお茶を飲んだだろうか



**************

夕暮を淋しがっていたのは従姉妹なんですけれども、数年前にお嫁にいきました。
きっと、もう淋しくなんだと思うと、そのたびになんだか安心します。

 
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