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2025年07月01日
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幻冬 2
2008年11月21日
あまりお話が進まなくてすみません(^^)
タイトルは、幻冬となりました。
さむそう・・・
深雪を掻き分け、ようやく辿りついた名医の住処の前に、伊作は呆然と立ち尽くした。
それは、聞きしに優るあばら家で、黒ずんだ壁や屋根などは、殆ど朽ちかけているかのように映った。
この住まいで厳寒を越すことなど、到底考えられないような有様であった。
吹き溜まりの中に、深く埋もれた扉からは、しばらく人の出入りした跡すら見られない。
それでも、と、伊作は心を据えなおす。
ここまで来て、そう簡単に諦めてたまるものか。
ふんと息を吐いて気合を入れると、腰まで埋まるほどの雪をざくざくと押し漕いだ。
額を、一筋の汗が伝う。
空気が、薄い。
ようやく戸口に辿りついた頃には、情け無いことにすっかり息が上がってしまった。
襟巻き代わり、幾重にも巻いた手ぬぐいを押し下げ、声をかける。
「もし、どなたかおられますか」
呼びかけながら戸を叩けば、こびりついた雪片がはらはらと胸に落ちかかった。
しかし小屋の中はしんとして、返りひとつない。
伊作は静かに息を整えると、感覚を研ぎ澄ませて中の気配を探った。
驚いたことに、微かだが、確かに誰かしらがいるように感じられた。
今一度、声を張ろうとした、その時。
弱々しく、苦しげな咳が戸の隙間から漏れ聞こえてきた。
(病人・・・?)
伊作は矢も盾もたまらず
「失礼いたします!」
と一声かけると、凍り付いて重い引き戸を力任せに開け放った。
************
伊作さんの力任せ。
らしくないでしょうか。
そんなことないですよね。
穏やかだけれど男らしい伊作さんが好きです。
今回は、原作ベースで書かせていただいております。
最初に好きになったのが原作の伊作さんだったせいか、原作ベースを書くことが多いです。
なんというか・・毎度毎度ねっとりしたコメントだなあ。
つぎ、名医さん登場です。
それは、聞きしに優るあばら家で、黒ずんだ壁や屋根などは、殆ど朽ちかけているかのように映った。
この住まいで厳寒を越すことなど、到底考えられないような有様であった。
吹き溜まりの中に、深く埋もれた扉からは、しばらく人の出入りした跡すら見られない。
それでも、と、伊作は心を据えなおす。
ここまで来て、そう簡単に諦めてたまるものか。
ふんと息を吐いて気合を入れると、腰まで埋まるほどの雪をざくざくと押し漕いだ。
額を、一筋の汗が伝う。
空気が、薄い。
ようやく戸口に辿りついた頃には、情け無いことにすっかり息が上がってしまった。
襟巻き代わり、幾重にも巻いた手ぬぐいを押し下げ、声をかける。
「もし、どなたかおられますか」
呼びかけながら戸を叩けば、こびりついた雪片がはらはらと胸に落ちかかった。
しかし小屋の中はしんとして、返りひとつない。
伊作は静かに息を整えると、感覚を研ぎ澄ませて中の気配を探った。
驚いたことに、微かだが、確かに誰かしらがいるように感じられた。
今一度、声を張ろうとした、その時。
弱々しく、苦しげな咳が戸の隙間から漏れ聞こえてきた。
(病人・・・?)
伊作は矢も盾もたまらず
「失礼いたします!」
と一声かけると、凍り付いて重い引き戸を力任せに開け放った。
************
伊作さんの力任せ。
らしくないでしょうか。
そんなことないですよね。
穏やかだけれど男らしい伊作さんが好きです。
今回は、原作ベースで書かせていただいております。
最初に好きになったのが原作の伊作さんだったせいか、原作ベースを書くことが多いです。
なんというか・・毎度毎度ねっとりしたコメントだなあ。
つぎ、名医さん登場です。
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