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2025年07月02日
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現パロのつづき

2009年06月22日
これを草笛に掲載していいのかどうか、まだ悩んでおります。
少し、他サイト様の影響もあることですし…。
どうしましょう。

 
 「留三郎!」
「なんだと?!」

目の前の見知らぬニンジャが、期待通りの古語による自己紹介を行うより前に、本名をずばり言い当てられた平成の留三郎は、まず動転した。

(何故俺の名前を知っている!ニンジャだからなのか?ニンジャは何でもお見通しか?!)

ところが彼の心中で繰り広げられるステレオタイプな自問と、明らかな狼狽を意にもかいさず、当の忍者…伊作は留三郎から視線を外さないまま、訝しげに眉根を寄せた。
その言うことが、こうである。

「何なんだその服は?」
「は…?」

一瞬、空気が白く固まった。
伊作の表情には、一欠けらも悪びれたところが無く、留三郎は頭を抱えたい衝動に襲われたが、場の気まずさは耐え難いものがあったので、とにかく言葉を搾り出して沈黙を破った。

「に…ニンジャにファッションセンスをとやかく言われたくねえよ!」
「ふぁっしょ?何だって?っていうか、何を言っているんだ、留三郎も忍者だろう!」
「ニンジャじゃねえよ!」
「そんな、留三郎、君は、何を今更…」

伊作は親友のその一言に、驚きのあまり言葉を失いかけた。
しかし同時に、その切ない衝撃は、酷く動転していた頭の中に、凪ぐような平静を取り戻させた。
睨むようなまなざしで、注意深く目の前の青年の様子を探る。
目元、口元、大よその骨格は、同室の親友のそれと寸分変わらないように見えた。
しかし、髪型が違う。
非常識なまでに短く刈られた頭は、坊主でこそなかったものの、まるで一度出家し、帰俗し後一月経過と言ったところだろうか。
食堂で別れてから今までの間に、彼(か)の親友が突然出家を決意し、そして断念したと仮定しても、まだ一箇所、決定的におかしなところがあった。
それは彼の右頬にあった筈の切り傷である。
昨日、日々恒例の文次郎との取っ組み合いにより出来たばかりのその傷があったはずの場所を注視しても、その痕跡すら見当たらない。

「別人なの…か…?確かに変だよな。鉄のイノシシがいるなんて、聞いたことがないし…ここはどこなんだ一体…」


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伊作さんがようやく何かおかしいと思考回路を働かせはじめました。

これから…どうしましょう。



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