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2025年07月01日
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ゲンパロのつづき

2010年03月30日


さて、夜も更けて、滞りなくとはとても言えないが入浴を済ませた伊作である。
心地よさげにほのぼのとしている様子なので、留三郎がもう寝るかと声をかけると、うんと頷いた。
頷いたはいいが、留三郎が寝床の提供を申し出る間もなく、そのまま彼はいきなり何も敷いていないフローリングにごろんと横になった。
侮りがたい戦国の野性味を思い知る留三郎である。

(この時節、枕もなしに…よく眠れるもんだな)

しかし上掛けが着てきた装束だけというのは見ている方にも心もとない。
上から綿入れのブランケットを投げてやると、伊作はその下からもぞもぞと笑顔を出して礼を言った。
間もなく、部屋の明りが落ちる。
留三郎も寝床に潜り、体の温まるのを待った。
風音の中に、電車の走る規則的な鼓動が紛れている。
ベランダの向こうで、街はまだ眠らぬ気配のまま動き続けているのだ。
薄暗闇の中、留三郎は閉じていた瞼をあげた。
伊作のもといた時代の夜は、さぞかし静かなものであっただろう。
月と星のほか、夜を照らすものはなく、それがどれほど明るく思えたのだろうか。
(戦国時代か…)
切り捨て御免もハラキリ上等も一生涯お断りの留三郎であったが、それだけはどこか羨ましい気持ちがした。
台所の奥で、冷蔵庫が低く続いていた唸りを止める。
カーテンの隙間から路地の水銀灯は煌々とさし、遠いクラクションが窓の外の夜の中に、長く尾をひいて消えていった。
そして再び訪れた沈黙に、微かなため息がもれ聞こえて、留三郎は思わず伊作のほうを見た。
耳を済ませてみれば、身じろいでいるのか、微かな衣擦れも聞こえてくる。
眠りづらいのか、と、声をかけようとしたまさにそのとき、小さな独り言が耳に通った。

「なんと滑らかな床だ……」

留三郎は寝る体制を整えなおし、しっかりと瞼を閉じ、

「はよねろ」

と言ったが最後、とけるように眠りに落ちた。
長い一日が終わろうとしている。
脱力感とともに辿る夢路は存外、心地よいものであった。

**********

タフデントの噛める喜び、みたいな感じで、書ける、喜び!
ばりばり書けるとか上手に書けるとかそういうんじゃないんですけど、書けただけでほっとしまする。
わーいわい。

18期やばいよね、もうやばすぎるよね。
泣くかとおもった。
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白妙

2009年06月26日
書き直しています。
うーん・・・・。
長くなってきました。
一度、区切った方がいいかもしれません。
 
つづきはこちら "白妙"

放課後のつづき

2009年06月21日
です。
ドラフトですみません。
題名・・・・未定!
主題は竹谷の生物観、です。

 
つづきはこちら "放課後のつづき"

その日、僕は 2

2009年05月09日
完結!
犬ばっかりだ。
もうこれ二次創作でも何でもない!

つづきはこちら "その日、僕は 2"

その日、僕は

2009年04月26日
まさかの続編です。
自分でもびっくり・・・。
あまりにも昔のことなので、最初から仕切りなおします。

尻尾の生えた主人公と、誰か忍たまのお話です。
バリバリに主人公の一人称で進むお話は、初めてでした。
何かこれも、楽しくていいですね。

つづきはこちら "その日、僕は"

迷っています

2009年03月29日
竹谷先輩関係のお話。
導入を書きましたが、迷っています。
このまま続けていいのかな。

採用するかしないか、思案中ですが、あげてみます。

つづきはこちら "迷っています"

焔 2

2009年03月05日
すごく書くのが楽でした・・・
手抜き?ちっ、ちがうよ。
だって声だけなんだもの。
たまには会話多用もいいと思います!うん!







つづきはこちら "焔 2"

焔 1

2009年03月05日

亀の歩みで書いています。
破:焔(ほむら)、はじまります。


 

つづきはこちら "焔 1"

もう時効かと思うので

2009年02月16日
月の路、の一部を別ルートで書いたものです。
これが最初にあったのですが、これは駄目だろう、と反省して書き直すことになりました。
とにかく、暗いです。

つづきはこちら "もう時効かと思うので"

白妙に 4

2009年01月24日

大変難産でした。


 

つづきはこちら "白妙に 4"

スタートしたというのに

2009年01月17日
またもや筆が止まっております。
万年スランプ状態で書いているので、珍しいことではありませんが、宙ぶらりんにしてごめんなさい。
こうしている間にも、色々、思いついたりすることはあるので、お話はちまちまねりねりしております。
折角なのでもう少し資料も集めたいなあというのもありまして、時間のかかることになりそうです。
リハビリも兼ねて、ぽろぽろと短編を書くのもいいですね。
がんばります。


無題

2009年01月11日
何だか悲しいお話が書きたくて、雪とからめてみました。
ちょっと流血注意です。
そして、少しだけ覚悟をお願い致します。
内容はほぼ完全に、オリジナルです。

つづきはこちら "無題"

白妙に 3

2009年01月10日
三つ目になります。

つづきはこちら "白妙に 3"

白妙に2

2009年01月09日
前回の記事に少し書き足しました。
そちらの続きがこの記事になります。


つづきはこちら "白妙に2"

白妙に

2009年01月08日
書き出しのみ、書いてみました。
まだ全体は、できていません。
これこそが見切り発車なのですね。

冬を迎える、の続きになります。
つづきはこちら "白妙に"
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